グッドバイ、バッドマガジンズ

東京オリンピック開幕に伴い、外国からの観光客から遠ざけるためにコンビニから成人誌が撤去された。その成人誌編集者たちの誌面作りにかけた顛末を垣間見た。

街から成人誌が撤去されたことには誰もが異論なく賛成することであろう。しかし、そこには生業とする人がいて責任をもって読者に届けている。この気持ちには上下はなく誰も踏みにじれないものだ。

舞台は成人誌の編集部内。性を扱うだけに猥褻なものに囲まれそこに放り込まれた新人女性編集者の奮闘ぶりははつらつとしたものではなく、多忙の中、要領よく機械的にこなす様と性を扱うため自分の欲求が高ぶりだす奇妙な二面性をもちながら制作する様子が描かれていた。これが、人心の摩耗を招くのかもしれない。

DVDを付けないと雑誌は売れないのか、自分たちの存在意義は? 仕事を通じて自分を表現す出来るかと葛藤、衝突が生々しい。

 

最後は編集部解散となり仲間らは散り散りになるが、それまでの経験を生かして新天地を、という前向きもなく、どっこい生きている強さをみた。