哀れなるものたち

奇想天外な作品。自殺した女性の胎児を取り出してその脳を死んだ母体に移植するというグロテスクな設定だが、意外と受け入れられた。ベラと名付けられたその女は、まさに子供で手術した外科医は父親代わりととして接していく。

ベラがたまたま見つけた自慰の目覚めから世界が広がっていく。SEXの快楽を教えてくれた男と世界横断の旅に出る。

少しづつ言葉が大人びて知性を帯びていくと、その男とも別れてしまう。

寒空のパリで女が稼ぐのは売春しかないという中でも見識を深めて父代わりの外科医を

見舞うために帰郷。かつて自分を束縛し死に至らしめた男と再会するも

幸せはそこにはなく、ついには復讐を遂げ自由と自立を得た。突拍子もないが女性の自立の歴史絵巻の様だった。