ブータン 山の教室

やる気のない若者が子供達の純心に触れてやる気を出す、とありがちなストーリーとも言えるが見応えがあった。ブータンの僻地ルナナへは徒歩で6日。この行程を端折る事なくロードムービーのように描いた。この鑑賞時間のおかげで観ている側も心持ちを切り替えられたと思う。ルナナには電気も水道もなく埃っぽい小屋で寝食するしかない。旅人は客人という事が村人は好奇心と親しみを持ってウゲンを大事にしてくれる。彼等なりに精一杯のもてなしをしてくれる。やる気のないウゲン先生に対しても子供らは学びたい気持ち、学ぶ事でヤク飼育と冬虫夏草の収穫以外の人生を拓たいのだ。

ウゲンも少しずつ子供たちと向き合うようになり黒板やノート、ギターなどで盛り上げてきた。寒さ凌ぎの伝統紙を剥いで教材にしたり、子供に尽くすようになっていく。お互いに支え合っているのだ。物のない貧相な生活だがその分、モノや情報に惑わさらない気持ちの豊かさを見せてくれた。ありがちな設定だが思いやりの大切さに気づく。