2008-01-01から1年間の記事一覧

潜水服は超の夢を見る

脳の故障により体の筋肉の一切が不自由となってしまう。 音や光は感じられるのだが口先一つも動かせないので 生ける人形となってしまう・・・唯一動かせる左目の瞬きでコミュニケーションを図るのだが 切望的な孤独の中でもがくような心地だ。 潜水服の中に…

サラエボの花

ユーゴスラビア紛争後の日常を描いた作品。 戦争は戦時中だけでなく戦後も幾年もわたって傷跡を残す。 子供たちも戦災孤児になっても事故のアイデンティティを保つためには 名誉の戦死をした親を誇りにする。 主人公の娘もその誇りで生きてきたが実は違って…

しらゆり

沖縄戦を生き残った元女学生たちの独白で綴った映画。 作品は三部構成で南風原での救護活動、南下しての活動、解散後のそれぞれと 今はおばあさんになった、元女学生の必死の説明が身振り手振りを交えての説明が なんとも重たくのしかかる。 映画は戦争の悲…

キトキト!

富山高岡を飛び出した子供たちと肝っ玉母ちゃんの話なのだが…どうにもまとまりが悪く、どこが主題なのか見当がつかない。 都合のいい展開に振り回された感じがある。 大武しのぶは与えられた役を全うしていた分だけ なんだかもったいない感じがした。馬力の…

タカダワタル的ゼロ

高田渡というフォークシンガーの晩年を捕らえたドキュメンタリー。 いな、ドキュメントというよりは蔵出しライブ映像のようであった。 作品のほとんどは彼の呑む姿と大晦日年越しライブの模様くらいだ。 歌って聞かせて、味わいがある。 落語の名人の芸を見…

ダージリン急行

最初は理解できなくて話の意味するところが全く分からなかった。 でも滑らかなカメラワークと官能的な映像、音楽でとても心地よい。 思わず寝てしまった。 目が覚めると子供の火葬のシーンで、素朴に美しい。死んだ親父の形見のバッグを肌身離さず持ち歩いて…

やわらかい手

孫の命を救うため、風俗業で働くことにしたマギー。 治療のための渡航費を短期間に稼いだが 不審に思った息子が後をつけ、ついにその仕事がばれてしまう…穢れた仕事とののしられるがこの仕事で生きていくルイーザから 仕事を奪っていたマギー。 どんな仕事で…

実録・連合赤軍

理想に燃えた若者たちがなぜ、殺人集団になったのか その過程を生々しく描いた作品。 「総括」の名の下で血の粛清が激しく行われていたとは。 彼らの言う「総括」のシーンは血生臭く痛々しいもので とても直視できないものだ。 それでも作品はこの暴力、暴力…

マルサの女

国税官が脱税者を追うという社会はストーリーなのにものすごく 人間性ある作品。 金が人の世の生き血とも言える由縁だ。 金のせいで人間の本性が丸裸になる。権藤と板倉が酒場で落ち合うシーンがある。 話の折々に酒場にいた赤ん坊の顔が映し出される。 赤ん…

僕のピアノコンチェルト

孤独な天才児とそれを見守る祖父の温かいまなざし。 ただ、天才児が天才であるため親の過剰な期待を背負いすぎて それをそらすために事故で脳に障害が出た振りをした。 ここまでいくと嫌味だと思う。 天才児の生の悩み叫びが描かれていなく、 斜めに世間を見…

僕のいない場所

子供の視点で描かれた残酷な世界。 母を求めて孤児院を脱出するも母は未熟な成人であり セックス依存症だった。 街の悪がきどももタバコにシンナーと自分を痛めつけていた。そんな世界で生きることを拒んだ主人公の少年は 廃船の中で鉄くずを拾っては、また…

しゃべれどもしゃべれども

ストーリーは退屈で盛り上がらない。 主人公が何を考え何に困ってそれを打破しようとしているのか 分かりづらかった。 話し方を学ぶために集まった三人がそれぞれに背負った影を 炙り出せなかったような。こういう映画があってもいいという人もいるかもしれ…

タンポポ

伊丹十三監督の作品。 女手一つのラーメン屋を立て直すために男たちが力を貸す物語。 それと合わさって食をめぐって様々な人たちの寸劇が散りばめられて 食物連鎖のようだ。 寸隙の中に死に際の母親が命を振り絞って焼き飯を作るシーンがある。 電車の走り抜…

どこに行くの?

すごい作品を見た。 鬱屈した生活を送る青年が、その殻を破ってしまい どこまで落ちていく作品。 主人公アキラの社会性、社会的なつながりは 彼の周りの男の性癖にがあるにも拘らず辛うじて保たれていた。 それがふとした衝動によって脆くも社会性が断ち切ら…

スパイダーウィックの謎

子供向けの作品だったかな。 子供だけにしか見えないはずの妖精が最後には 大人である母親にも見えたところで、面白みがなくなった。 母親はやはり、現実側の立ち位置をキープして欲しかった。 母親までも子供と一緒に悪い妖精とは戦って欲しくない。変人扱…

最高の人生の見つけ方

人生の最後を充実したものにするために、やりたいことのリストを書き上げて実行していく。 この発案は、自動車の修理工であるカーターのメモから。 金持ちだが孤独なロブが、それに気付き、同じ病に倒れていたことからの親近感からか 実行していくことになる…

隠し砦の三悪人

そんなに熱心に見入ることの少ない映画だった。 心に何も残っていない。

北辰斜めにさすところ

旧制高校の卒業生が母校を思う映画。 単純な昔を懐かしむという作品ではなく結構見せられる映画だった。 作品は五高と七高の因縁の野球試合を「七高野球部創部百周年」として開催しようと 話が起こる。これに乗じて記念誌の掲載として主人公の上田に当時の …

紀元前一万年

はるか大昔の人類の物語。 と思いきや、スケールの大きさの割にはなんとなく 小さくまとまっていたような。主人公デレーの村人が奴隷として連れて行かれ、 デレーたちはその後を追い仲間を募って敵の大将を獲るのだが アクションが多すぎたような。 BC10…

相棒

テレ朝のドラマ「相棒」の映画版 映画版とあって、東京マラソンを舞台にしたスケールの大きい作品。 不可解な事件、謎を解く鍵としてのチェス、SNS、いろいろ キーワードを埋め込まれてクライマックスはもう一ひねりして終わる。 でもラストに至るまでの…

パレスチナ1948 ナクバ

長編ドキュメンタリーの一部。 まだまだフィルムはあるそうで、物語は続く。 大量の記録フィルムのかなから一つの物語を取り出されたのが 今回の作品。イスラエルによって破壊されたパレスチナの村、 人々の生活を両者の観点で取り上げて戦争の愚かさを 浮き…

クワイエットルームにようこそ

劇団作家の松尾スズキ作品。精神病棟に閉じ込められた 女性の快復を追う趣旨なのだが 途中から中だるみな感じ。異常な人々が集っている世界だが なかなか抜けきれない世界。 出てもまた戻ってくる人も多いようだ。 日常と非日常となるのだろうが その区別も…

転々

うだつのあがらない大学8年生とその借金取りが 東京を散歩する物語。 借金取りが愛する妻を自らの手で殺してしまい 自首をするまで半生を振り返りながら 散歩をするのだ。ロードムービーといえば言えるのだが おしゃれな演出だとは思うのだが 軽すぎて物足り…

クローバーフィールド

ハンディカムで残された記録映像が発見されて それを見るというシチュエーション。 得体の知れない怪物が突如現れて街を破壊し人々はパニックになる。そのパニックのさま、恐怖に陥るさまは ハンディカムでの演出で身近に感じられる。 時折、別のときに撮っ…

燃えよ、ピンポン

卓球で悪の組織に挑むというコメディ。 笑いの要素をちりばめているのだが もう一つ、な感じだった。 浅い、薄い、チープな感じで…もう一つ突き抜けて欲しい。

魔法にかけられて

最初がアニメ、そして実写へと移り変わるのだが アニメの世界は夢と魔法というディズニーの世界。 そのおとぎの国の住人が、突き落とされて現実世界のニューヨークに やってきた物語。カルチャーギャップ的な笑いを目指すのではなく ファンタジーは現実の延…

バンテージポイント

大統領狙撃事件を沢山の視点で再現する物語。 いろんな立場の人間を主人公になって、そこの点は おもしろい。 ただ、何度も事件の前に戻るために 飽きてしまう。ビデオを撒き戻すような 演出も飽きてしまう。アクションが呼び物なのか サスペンスか推理か的…

ヒトラーの贋札

ナチが行った贋札作りの実話を基にした物語。 印刷技師、写真技師、贋札作り、といった腕に職があるばかりに 他のユダヤ人とは破格の待遇を受けて贋札作りを 行わされていた。今日の銃殺より、明日のガス室と、主人公が言ったとおり 柔らかなベッドで眠り、…

ミルコのひかり

不慮の事故で失明してしまった少年が 希望を見出して夢を実現する実話に基づいた物語。オープニングとエンディングをトスカーナ地方の豊かな風景を 出して結んでいるところがファンタジー。子供たちの自由演劇をみるときに、 観客に目隠しをさせて声と音で演…

この道は母へとつづく

孤児院で暮らす男の子が本当の母親を探した 実話を基にしたストーリー。ロシアの抱える様々な問題が要所要所にはめられていて 上手くまとまってる感じがした。イタリア人の元に引き取られることになった ワーニャはそのことを小さな胸で受け入れようと 精一…