君たちはどう生きるか

戦争で母を亡くした少年の、継母と亡き母をめぐる冒険譚。

ジブリ作品は民話や伝承などから物語の構成を参照して来たと思っていた。

見た人にとって、原型を知らずとも、腑に落ちる物語になっていたのは

この成果だと思っていた。少年が冒険の旅に出て帰郷する成長譚などがそれ。

世界各地にある物語を多重に寄せ集めたのがジブリ作品の持ち味と思う。

今回は

母の喪失→異世界との接触異世界への突入→出会いと成長→何かとの対峙、勝利→異世界との別れ、帰郷

という典型をもとにアニメーションの表現を肉付けしていた。

ただメリハリに乏しく、達成感、爽快感は省かれていたので退屈な仕上がりだった。

面白くなる味付けを度外視して、作者のメッセージを直球で形にした結果と思えた。