夜明けまでバス停で

コロナ禍で激変した暮らし、取りこぼされる人々を描く

悲しみの話かと思いきや。

手芸作家のミチコはアルバイトで生計を立てながら手芸活動に勤しんでいた。

2020年2月より広まった感染症によりアルバイト先の解雇の憂き目にあい

社員寮を撤去し流転の身となった。

ただただ、持つ者もたざる者、格差の不条理を描くかと思いきや首相を女性スキャンダルで退陣させた元芸者、三里塚闘争で暴れた元闘士と共に爆弾を作ることになる。

その際、手芸で身に着けた器用な手先が役立つのがなんとも面白い。

爆弾で権力者に反撃だ!という暴力を認めるのはいけないが、弱者が弱者のママではいけないと訴えかけている気がした。

ただ、7月の襲撃事件のように弱き民が最高権力者を殺めてしまった事件もあるので

事実は小説より奇なりという印象もある。