1985年、ノルマンディーの街で。16歳と18歳が出逢い恋に落ちる。
アレックスの回想と現在が交差しながら物語は進む。
後悔の念が潮騒のように押し寄せるように。
初めての恋は厄介だ。
アレックスは盲目になって相手のことに夢中になる。
若さという無限のエネルギーが組み合うのだから、暴走するのは当然だ。
ダビッドは遊びで恋愛をゲームのように楽しむ。が、どこか上の空のように軽い。
他人との約束を軽く見てる雰囲気がある。その場しのぎが多い。
これも若さ故の無礼な振る舞いか。バイクにまたがってスピードを求めるの、分かる。
死んだって構わない、怖くなんかない、自分は無敵なんだと、自信溢れてるようにもみえ、生き急いでる。これも恋と同じ暴走ではないか。相手のことをなんて御構い無し。
アレックスは愛する喜びと嫉妬の苦しみ、そして永遠の別れを6週間のうちに味わった。
作品は若さのなす美しさ、脆さが、青春の輝きが収められている。
あまりにも濃密でむせ返るような。
アレックスの立場で感想を抱いたが、ダビッドの視点も大事だ。
なぜ、アレックスを助け誘ったのか、なぜイケメン酔っ払いを助けたか。
なぜケイトに乗り換えたか。彼の心内を思い返したい。
ラストのキュア「In Between Days」はダビッドの心情だったのか。
彼もまた、恋に溺れ振り回されたか。
現実の俳優たちが老いても、この作品の中のきらめきは、永遠に生きていくのだと思うと
老いていくことへの恐怖を感じてしまうし、青春が二度と戻らないことへの寂しさを感じる。
しかしもう一度、あの辛い時代を繰り返したいとは、私は思わない。
