ナチスの迫害からたった一人で逃げ切って生き延びた少年の話。
収容所から脱走したユダヤ人の子供たちは森の中で野良犬の様に
生き抜いていた。
鳥の毛をむしらず、泥で固めて蒸し焼きにするシーンは実話を彷彿とさせた。
スルリックと言う本名をユレクと偽名してからは、親切な婦人の教えどおり
農家の手伝いをしながら渡り歩くこととなった。
ひ弱だった少年はだんだんと生きるしたたかな力をつけていく。
物乞いの様に扱われたり、親切にされたりと少年は年をとる。
日本の様に、子役を使って泣かせようとせずに淡々と、歴史の断面を
見せてくれているのが面白い。
子役は双子だそうで、静と動で子役を変えていたのには驚いた。
ラストに本人が元気そうな姿で登場したのも驚いた。