シチリアサマー

1980年代イタリアのシチリア

同性愛に対する偏見と嫌悪が激しかった時代。ヨーロッパの実態が垣間見えた。

花火職人の息子ニーナとバイクの整備工として働くジャンニがある事故がきっかけで出会う。

ジャンニは自分の性癖を自認していたが、これがきっかけでニーノを頼って仕事の斡旋を相談したのだろうか。

ゲイという立場でノンケのニーナに忍ぶ恋を持って接触し、友情の名を借りて

恋人ごっこを楽しんでいたのだろうか。

ゲイであるがために罰せられ、揶揄われて、侮辱され、親にまでその生き方を否定、

矯正される。

ゲイバレしても、接触してくれるニーナ。

束の間の愛に身を投じ、二人はこの世と別れを告げる。

自殺か他殺か、わからない。

音楽劇 浅草キッド

ビートたけし原作「浅草キッド」の音楽劇(ミュージカル?)の舞台版。

ビートたけしが売れる前、浅草での修業時代。師匠となる深見千三郎との出会い、別れの中に浅草芸人の悲哀をまぶしている。

音楽劇と銘打っているだけにテンポよく舞台は回る。

原作や周辺情報を知っている身としては、入れられたエピソード一つ一つに符丁が合う感覚だった。 舞台のセリフで卑猥なものをまぶしたのは予定調和になりがちな進行につまずきを与えていたのか。

 

CLOSE/クロース

兄弟のように仲良くできていたレミとレオだったが、学校内でその仲を

からかわれたことでレオはよそよそしく振舞いだすのだった・・・

愛情が強い分、冷たくするのもひとしおのレオ。

同性愛というには早すぎる二人の仲は、はかなくも崩れ

永遠の別れをもって完全に破壊される。

周りの雑音を気にせず、という訳にもいかない。

ダブルスタンダードを採れるほど器用ではない。

レミは自死だったのだろうか。

君たちはどう生きるか

戦争で母を亡くした少年の、継母と亡き母をめぐる冒険譚。

ジブリ作品は民話や伝承などから物語の構成を参照して来たと思っていた。

見た人にとって、原型を知らずとも、腑に落ちる物語になっていたのは

この成果だと思っていた。少年が冒険の旅に出て帰郷する成長譚などがそれ。

世界各地にある物語を多重に寄せ集めたのがジブリ作品の持ち味と思う。

今回は

母の喪失→異世界との接触異世界への突入→出会いと成長→何かとの対峙、勝利→異世界との別れ、帰郷

という典型をもとにアニメーションの表現を肉付けしていた。

ただメリハリに乏しく、達成感、爽快感は省かれていたので退屈な仕上がりだった。

面白くなる味付けを度外視して、作者のメッセージを直球で形にした結果と思えた。

怪物

予告編の印象とは異なった作品だった

てっきり超能力に目覚めた子どもが大人を翻弄するのかと思っていた。

母親の目線、教師の目線、少年の目線とビル火事を境に物語れる。子どもらの喧嘩の原因が男の子同士の淡い恋心とそれを隠すための行為が波紋を広げていく。原因が分かれば呆気ない印象だった。執拗にいじめを繰り返す別の子供らの目線も見たいがそれだと収集つかなくなるか。

最後まで行く

韓国作品のリメイク。

日本国内でロケしたんだろうが、何故か日本っぽく無い。

パラレルワールドを見ている様であった。

冷徹な監察官に綾野剛、油ぎった中年刑事を岡田准一。各々、適材適所だろうが

既視感ある配役だ。あんだけ暴れてよくもまぁ体力が持つよなと感心。

途中からギャグに見えてきた。