ラサへの歩き方

聖地ラサへ巡礼のたびの物語。旅は車でもなく徒歩でもなく最敬礼の五体投地。身を投げ出しながら1200キロの道のりを進む。家族だけではなく近所の知人や仕事仲間などを連れ添った一行が聖地まで伸びる一本道をひたすらに五体投地ですすむのだ。

巨大な山々の風景の中、彼らが進む姿は実に小さくはかなく見える。

道中、子供が生まれたり搬送車が追突されて大破するなど無事ではないのだが、起こったことを悔やむのでもなく、一心になって五体投地を続ける。

印象的なのは荷物の積んだホロを自分たちで推し進めて、押し始めたところに戻っては五体投地で進むのだ。効率とか合理的とか自分の常識や知っている世界を一変するような映画だ。

一年をかけてあんな無茶な旅をして一体なんになるのだろう。

本当に世界は広い。

ただ気になったのは濡れた体を拭くために裸姿になった彼らの腹がたるんでいるところだ。アレだけ動けばやせてしまうのではないのか?