アニー

すばらしい愛と夢の御伽噺。
登場する人々にはすべて過去と思いが背負わされていて
単純ではない人生と社会を描いていた。
主人公のアニーは明るく快活で、大人を振り回していくのだが
カンニングペーパーの文字が読めないという弱点があった。
これが大きな伏線と言うわけではないけれど
ラストシーンで市長を諦めた里親スタッグによる
識字センター設立となった。子供の置かれた、社会から取り残された
つらい現実の一つを組み込んでいる。

ツイッターデジタルサイネージと現代ギミックがふんだんに
登場し物語の展開の一助となっている。
だからこそ、スマホを使いこなす子供が主人公になれるのかもしれない。

子供たちの活躍でさらわれたアニーを無事奪還できるまでは
コメディタッチで爽やかに描かれている。

悪辣な里親かと思えたハニガンも優しい子供の時分を取り戻し
改心できた。

運転手のナッシュも無愛想だがアニーのお陰で心が開かれてきた。

周りの大人たちが振り回されてハッピーになるところを
削ることなく描かれていて
とてもよかった。

最後の「トウモロー」の合唱も多幸感たっぷり。