テラビシアにかける橋

heureux302008-02-23

自分を見つけて自分を活かすまでの物語。
とても良い作品だった。
物語を形作るためのエッセンスは満遍なくちりばめられているので分かりやすい。
異界への門としての、ロープ、マイノリティの子供。

子供たちの空想だけによって作り上げられた別世界(テラビシア)の映像表現も素敵。
子供たちが見ているであろう世界をCGで合成していたが
見ている側もその世界に入り込んでしまったかのようで、心地よい。
レスリーが主人公をテラビシアに招き入れる導入部分も面白く、自然現象を
物の怪のいたずらと表現してこちらもだんだん本気になっていく。

空想の中で引きこもることなく、テラビシアの勇者としての振る舞いを
実社会でも貫き自分を高めていくところも面白い。
単純な引きこもりだったら、現実逃避はつまらない。
自分を変えることで世界が変わっていくことを表現していた。

不幸にしてレスリーが死んでしまい、主人公は一気に大人へと押し上げられるのかと思ったが
レスリーからもらったものを大事にして幼い妹にも夢を見せるラストは感動した。

大人も大人として振舞えていて安心した。
悲しむ主人公に自分の不幸の話をした教師や、抱きかかえて励ます父親の姿は
流行のアダルトチルドレン映画を吹っ飛ばしてくれて清清しい。

いい映画。
子供は大人とは別の世界を見ているんだな。。。