シンプルプラン

雪山に不時着した飛行機に曰く付きの大金が積んであった。

それを発見したばかりに3人の運命が翻弄される。

シンプルな題材なだけに演者の心境の変化が見逃せない。

3人の中でまともである事を自認していた弟ハンクと

オツムのゆるい兄ジェイコブ、その悪友ルーが手に入れた大金の

扱いに疑心暗鬼におちいる。ハンクの妻も最初は戸惑いつつも

欲目に眩んでハンクをそそのかし出す。

大金の一部をわざと戻しておく、ルーに嘘の証言をさせて脅すなど

悪どくなる。結果、無関係だった人々を殺害してしまう。

職もあって家庭もある私たちが一番信頼されるのよとのセリフが

皮肉っぽい。妻の助言のせいで殺人をしたことに

苛立ちを覚えつつ、最後の助言聞き流すのは観客と同じくして

展開にどんでん返しがあって小気味よい。

シンプルプランといタイトルもいい。

1917

ワンカットで戦場の伝令の姿を追う。ワンカットのおかげで
同じ時間同じ場所を過ごしているように錯覚に陥った。
意識を失ったりの暗転があって編集点もあったが、アクセントになった。
しかしワンカットという手法ばかりに目が行って
演出や見せ場が沈んでしまうのではないか。
制限制約の中で表現するということかしら?

パラサイト

話題になっている作品を話題の最中に鑑賞できるのはいい。

貧乏四人家族が金持ち家族に寄生していく様は会話の妙もあってコミカルに描かれている。笑いとスリルが同居してみていて飽きさせない。

しかしながら追い出された家政婦が嵐の夜に忘れ物を取りに来たところから話が急展開。北の核攻撃を恐れた元家主が作った秘密の地下壕。そこに暮らす、男。ここまででも面白いのだが、大雨で半地下の家が沈み体育館での雑魚寝などの落差の激しさまで息つく暇ない。パラサイト同士の酒盛り、奇妙な連帯感、自ら進んで地下に隠れた父、一つ一つのエピソードが深くておもしろい。

家族を想うとき

ケン ローチ監督最新作。

マンチェスターで暮らす四人家族の物語。

フランチャイズ運送業の職を得たリッキー

介護ヘルパーーの妻 リンダ

反抗期の長男セブ、可愛い盛りの妹ライザ。

流行りのギグワークスで細切れになった仕事を

低賃金で請け負う人、家族でないのに家族以上のケアを

求められる介護サービスと、現代に生きる苦難の側面を描いた。

しかし順調と思いきや、子供の不良行為で仕事を

中断するなどあった。親の関心を呼ぶための赤ちゃん返り

みたいなものかもしれないが、親の十分あ愛情があったら、不良行為は無かったか?

仕事が不調である事、家族不和の問題、は同列に扱ってよいか?

困難な仕事でも家族で協力しあって乗り切る、というストーリーも描けるのでは。

仕事に必要なバンの鍵を隠し持っていたのは

セブではなくライザだった。二人の子どもによって仕事を壊されたのだ。

貧しさとか、人の尊厳が蔑ろにされてるとかより、家族愛に欠けたせいで

愛に飢えた子どもらが自己主張した、そこに貧富の差はないのでは?

ただ映画では、あと一歩で持ち家を買えたのだが不況で仕事も家も失って

それ以降の家族不和、そして仕事不調と主人公の不幸は社会にあるとした。

果たしてそうか。

 

 

 

 

 

わたしは光を握っている

田舎町から都会へ、自立のために出て来た少女の話。

銭湯に住み込みスーパーのバイトを見つけるがウマが合わず退職。

銭湯の手伝いから仕事をすることの慣れていく。

映画青年、不倫OL、クレーマーなど人に揉まれて逞しくなっていく。

成長の証として、覗き見に大きな声で注意するのも頼もしい。

タイトルはある詩の一編から。

詩のキラキラした透明感を湯船の水に手を指して光を反射させて、似合っていた。

再開発で取り壊しが決まっていて、寂しさとこれまでの暮らしぶりが消えていくのに似合っている。

ロケットマン

エルトンジョンの伝記作品。

最近、人気ミュージシャンの伝記作品多い。

これまでのレコード売り上げや知名度があればそこそこのヒットが期待できるからだろうか。

代替描かれるのは

屈折した幼少期、栄光、私生活での挫折、孤独、愛されない自分、愛されるより愛することに愛を見つける、というのが多い。あとミュージカル調。

悪くはないんだけど、未見の人でも楽しめるようにしてもらいたい。