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追憶と、踊りながら

交通事故で息子カイをなくした母親は呆然とした生活を一人、
老人ホームでやり過ごしていた。
その中に恋人であるリチャードが訪ねてくる。
二人の間では言葉が通じることはなく女友達のたどたどしい
通訳でかろうじて意思疎通をした。

テーマはディスコミュニケーションだと思う。
やがて母親の前に現れた男性との恋を成就させて
悲しみから救おうとリチャードは努力するが
言葉が通じないことをいいことに、分からない振りをしあう。
さらには、カイにカムアウトするように進めたことを
自分が代行することで彼の思いを伝えたかった。

ゲイカップルであることは隠していたのだが
二人の間柄が深いものであることをそれとなく察知する
母親は、息子との思い出をただただ思い出すばかり。

カイをなくした二人はただただ、彼の面影を追うだけなのか
心の中に小さくしまわれていくのか。