さあ、帰ろう。ペダルをこいで

社会主義国家だったころのブルガリアを脱出していた青年の
人生を振り返り取り戻していく物語。

運動家として英雄だった祖父が
事故後、記憶喪失になった青年を引き取りに行くのだが
そのモグラのような生活ぶりに驚き
ゲームに熱中していた子供時代を思い出させる。

ブルガリアからイタリアへ亡命するのが
1980年代なのでつい最近の出来事だ。

ブルガリア人イタリア人の生活演出が細かくて
楽しめる。
献杯のしぐさとか。

自転車をこいで旅する風景は
まさにロードムービーといった体だが
過去と現代をもクロスしていて面白い。
旅は熟考させるものだし。

記憶喪失になったけれど
彼は殻に閉じこもっていた生活を破り
自分らしさを解放できたのだ。