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闇の子供たち

heureux302008-08-13

なかなか重たい作品。
児童買春、人身売買の現実が描かれているが
タイの子供を買う日本人が二組描かれていて興味深い。
一人はロリコン趣味のおとこ。
もう一人は自分の子供の命を救うためタイの子供の生きた心臓を移植させたがる親。
人間を商品として見せるための演出だろうが、人を殺めるという重圧に人は耐えられるのだろうか。
我が子可愛さに目がくらんでというのも分かるが、その十字架の重さは計り知れないだろう。
しかし、臓器の密売は横行している。登場人物にも横っ腹に術後の傷の跡がある父親が出てくる。
肝臓を一つ売ったのだろうかと想像してしまう。

貧困や無教育、暴力団資金源、児童性愛者、人間の欲望が複雑に絡み合ってその闇の深さ巨大さに
主人公たちは無力感を漂わせながら立ち向かっていく。

ラストに主人公の南部の描き方は面白かった。
彼もその闇に引き込まれていたとは。
その罪の重さをバネにして取材をしたのだろうか。
鏡の周りに張られた事件報道の記事をみつめて自分に言い聞かせ性の衝動を押さえ込んだのだろうか。
罪を犯しても、その罪を姑息にも正当化しまんまと生き延びるのが人の姿ではないだろうか。
その点では子供を買い続ける大人たちの醜く太った裸体が現実的に見えた。

仲介人も時折見せる人の顔もよい。
口笛、入浴の世話、そして逮捕後の、摘発後の笑み。。。

希望もなく後味の悪い作品だが
面白かった。