怒り

猟奇的な殺人事件の容疑者に似ている三人の男を巡る物語。

沖縄の旅人編、漁港の漁師編、都会のゲイ編と三つの物語が交差していく。この三者の内誰が犯人か、と見ている側は推測していく格好なのだが真犯人は別枠にいてもよかった気がする。猟奇的な殺人を犯した犯人はこの人だと着地させるのはなかなか難しいものがあった。

何しろ、動機付けの説明が別件でつかまった容疑者の語りであったし、なんか腑に落ちない。ミステリーのまま進めてもよかったのでは。

それでも、テレビで報道される犯人像と身近な人を結び付けてしまいそれまでの信頼関係を壊し、壊したため自責の念に責められるという複雑さを持っていた。でも三者でやるババ抜きの様になってしまった感がある。観客も誰が犯人か、みんな犯人で泣ければと思っていただろう。

都会のゲイ編を主軸においてゲイの付き合いのはかなさをテーマにしても面白かったかもしれない。