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かぐや姫の物語

竹取物語がアニメーションとなって再現
アニメの質感、感触がこれまでになく、心地よいものだ。
日本画のような水墨で描いた日本の風景。
空間とモノと境界があいまいとなっているのもいい。

かぐや姫の赤ちゃんから少女への異常なスピードの成長振りも
アニメならではの演出。
いきなりハイハイしだしたかと思うと、立ち上がって歩き出す。
そのかわいらしさに堪らず翁は駆け寄り涙ぐむ様は
親の心情に時間がないこと思わせる。

都へ移り住んで重要なキャラクターとしての女童の
立ち居地、その業態もユニーク。

かぐや姫は月の世界で犯した罪を償うために
地上に落とされたという。
その罪が晴れれば月へと戻るのだが、戻りたいと強く念じたので
使者が迎えに来る。
戻りたいと念じさせたのは、無茶な要望のせいで命を落とした皇子の存在か。
自分の中に月の世界ではなかったよこしまな心に気がついたせいか。

幼馴染の捨丸との恋も、お互いの一時の情事でとどめ
踏み外しそうな人の道を見せて、人間を描いた。

月の使登場の音楽も、虚飾に彩られ
月の世界のむなしい美しさを思わされる。

劇中歌われる、まわれまわれの歌に輝く命の実りは地上あるのだ。