横道世之助

観ている世代に偏りが出そうだが
80年代後半を生きた人には懐かしさを感じさせてくれる。
主人公の友人たちが昔の彼とその自分が生きた時代を思い出しながら
彼の人となりが語られていく。
現代を生きる彼の姿はすでにないが
懐かしく思い返す友達の、懐かしく輝いていた青春の光に
彩られる彼の姿は鮮やかによみがえってくるのだ。

誰かに影響されて今があって
そのことを懐かしく思い返す。
時には苦しく思い出し掛け替えのない一瞬を生きる

散り散りに別れてしまったあのころの友達は
今はその暮らしぶりを知るすべもないのだが
思い出すのは美しく輝いた青春の日々と世之助のことだ。

2時間を越える作品だが
テンポよく緩急自在とあいまって
退屈させない仕上がりだ。