恋の罪

切り刻まれた遺体を前にした女刑事の自問自答と二人の女の回想が
絡んで物語が進む。
潔癖症?厳格?子供のわがまま?な夫を持つ菊池いづみは
AVのスカウトに声をかけられ
モデルの仕事と思いきや、AV撮影で傷ついてしまった。
だが、ある売春婦との出会いで思いを変えていく。
少しずつ、自分をさらけ出すようになってきた。
夫とのセックスレスの不満からか、より大胆に変貌していく。

愛のないセックスなら金を取れ、は共感できる。
売春という行為を正当化したり蔑んだりとするが
性欲そのものは変わらない、というシンプルなテーマがあった。

その愛に素直に生きた女が尾澤で、母親からも
父を奪ってしまうほどだ。

この事件を追う女刑事・吉田も夫との不満な性生活のはけ口を
求めていて、それがこの物語の語り部として
より深い印象を与えている。

面白かった。