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シチリア!シチリア!

1930年代のシチリア・バーリアを舞台にした作品。
明確なストーリーがあるというわけではなく
移ろい行く人生そのものを多方面から切り取ったような作品だ。
歴史的、風土的な風俗、やり取り、態度があって
そういった一つ一つのエピソードの連なりが面白い。

死に行く人に、伝言を頼んだり
妊婦が牛の生き血を飲んだり
床に寝転んで涼んだり
シチリアの風俗が見て取れる。

昔語りを聞いているような遠野物語を読んでいるような
気持ちになる。

一人の少年が青年となり恋をし、家庭を持ち年老いていく。
だが、それは人生の走馬灯の様に一瞬の夢。
さらに、冒頭で穿き捨てられた唾が乾くまでの一瞬。

土地の神話である、
三つの岩山に石を当てることも冒頭と終わりに描かれていた。
できれば黄金を手に入れるということだったが
足元には黒い蛇。黒い蛇は別のシーンでも主人公に降りかかっていた。

ここで夢が覚めるのだが
人生そのものが黄金とでもいうことだろうか。。。