ケンタとジュンとカヨちゃんの国

夢も希望もない二人の青年が、現実から脱出する物語なのだが
主人公の二人が綺麗過ぎる。
汚れ、くたびれ感が無くなんとも宙を浮いた感じ。
カヨちゃん役の頭の足りなさそうな女の演技が一番光った。

刑務所に囚われている兄を追って旅するロードムービーの形だが
道すがら出会う、軽薄な女学生も、闘犬の飼い主も
持て余している。

現場でケンタの兄に受けた仕打ちの仕返しをする男の存在も
闇稼業に近づけすぎたためぶれている。
覚せい剤や拳銃を持ち出さなくても、怒りや狂気や執念は描けるのでは。

そういった象徴的な材料を組み合わせて物語る安っぽさが残念。