男の友情、という一言では語れない作品だ。
ラスト、撃たれて死んだ乳の敵のために銃を取った
ウィリアムはなぜベンを撃たなかったのだろうか。
いや、なぜ撃とうとしたのだろうか。
彼は見ていたはずだ、YUMA行きの汽車に乗せるために
父と共にベンを連行した道中の出来事を。
ホテルに立てこもっているときの問答が思い出される。
ベンは言った、撃つときは撃つと。
敵対者といえども危険な旅をともに続ければ
不思議な親近感が沸いてくる。友情に似た何かが。
しかしそれは真の友情、信頼にはならないつかの間の幻なのだ。
ダンとベンが死に際の銃撃戦で演じて見せたのは
このつかの間の幻の友情だったのではないか。
ダンは名誉を選んで死んだ。
戦争で惨めな負けをし負傷した足を引きずって。
父を抱き起こす息子の傍らを
列車が過ぎていく。
なんというアングル。美しいラストだった。