沈まぬ太陽

国民航空を舞台に会社の不当な扱いに耐え、耐えた先に見つける
仕事の意味。ただ、労働者が尊く、経営者は悪という単純さが
鼻につく。
しかし、中盤、国民航空再建に参加した関西紡績社長の存在は
それを中和できたか。

JAL再建問題の歴史をなぞるようで
覗き見する面白さはあった。

ただ、JAL再建の大きな壁は企業年金やいくつもに割れた労働組合だ。
映画もそこについて軽くは触れていた。
労働者のため、、、が癌となり増殖し宿主の命すら食い尽くそうとしている。

経済の発展期、未熟な労働環境に福利厚生とその時代に必要だった
力は、成熟した現代においては有り余るものか。

最後、主人公は日本を捨てアフリカへと渡る。
もはや彼の精神は日本では必要とされないのか。

それとも墜落事故の遺族をみて会社への執着の、むなしさを知ったのか。