ミラクルウルトララブストーリー

知恵遅れの青年と保母さんの恋物語
松山ケンイチの暴れっぷり、突拍子のない行動が
面白く知恵遅れの人特有の奇異なる行動であった。
ひょんなことから農薬を浴びて、体調に異変をきたすのだが
それによって「正気」になり、保母さんに気に入られるために
これをよしとする松本。
体にはダメージがかかるのだがそれを厭わず、保母さんのために
愛される人間に変身しようとするところが一途だ。

いわゆる無敵のイノセンス、ではなくそのイノセンス
回りの顰蹙を買っていくという生々しい現実があった。
事故で死んだはずの保母さんの恋人も首のない姿で
登場し、松本に靴を渡す。
空想と現実の架け橋としてのイノセンスの使い方だけど
どうかな、ちょっと面白くはない。

しかし、こういうファンタジーで終わるかと思いきや
熊と間違えられ猟師に打たれて死んでしまい
解剖後、その脳を残すことになる。

脳を抱える保母さんの画はすごい。

そしてそれを熊に投げ与えて食わせる。
動物に脳=アイデンティティを食わせる、破壊させるという画は
比喩に飛んでいるけど
邪推する必要はなさそう。
深い意味はなく、予定調和をぶっ壊したい監督のロック性を見た。