扉をたたく人

心を閉ざしてしまった初老の大学教授。
生きる力にみなぎっている青年。
二人の心をつないだのは熱いリズムのジャンベ

二人の友情を映し出すところまでは面白かったのだが
タレクが拘束されてからは暗い調子になった。
結構退屈な感じ。
タレクの美しい母が登場し、お互いに独り身の、恋に似たものを感じあったのだが
それもつかの間であった。実にあっさりとしていた

タレクから美しい母へと気持ちがシフトしていくのかと思ったが
タレクがモノのように他の収容所へ移送されたのを知って激怒する姿は
興味深かった。


すべての人が彼の元を去ってしまった後に、その老教授は
かつてタレクと話した地下鉄構内でジャンベを無心にたたく姿で終わる。
自分の無力さ、弱さを太鼓の音に変えて無心にたたくのだ。


いままでのやり過ごしてきた日々を打ち壊すかのように
彼は太鼓をたたくのだった。