BOY A

少年による殺人事件をテーマにした作品。
幼くして殺人者となり収監されていた少年Aが出所する・・・。
出所後の後見人の動きや、就職支援、友達、恋人、少しずつ回復していく
人間関係。
青春時代を塀の中ですごしたせいか、どことなく子供っぽい。

ソーシャルワーカーの実の子供が登場し彼もまた子供時代に負った傷を
いま、爆発させてしまう。
満たされない、愛情の飢餓感。

ついに、少年Aの存在が世間にばれてしまい
ささやかに気づいてきた生活が一瞬にして瓦解する。
その速さといったら、ラストまで一気に進むのだ。

偶然にも命を助けた少女からの感謝の手紙を見返す。
自分の生まれた理由、この子を助けるために生まれてきた、、、
と自分で言い聞かせるかのように少年Aは絶望的な顔をして
海に飛び込もうとする。

この少年Aを演じる役者がとても面白い。
目つきの怪しさ、奇妙さを前面に出していた。
クラブシーンではロボットダンスも挿入されていて
少年Aの自由への戸惑いが演出されていた。