北辰斜めにさすところ

heureux302008-05-06

旧制高校の卒業生が母校を思う映画。
単純な昔を懐かしむという作品ではなく結構見せられる映画だった。
作品は五高と七高の因縁の野球試合を「七高野球部創部百周年」として開催しようと
話が起こる。これに乗じて記念誌の掲載として主人公の上田に当時の
思い出を語らせて、舞台は過去へと遡る。
このまま、終わるのかと思いきや
回顧は終わり、人吉で開催されることになった同窓会に参加を拒んでいた
上田が旧友をなくし、家族に諭され思いを変えるまでの話となる。
悲しい思い出が多すぎて、なかなか踏ん切りがつかなかったのだろう。

高校時代の青春が過去のものではなく今も続いていることを
表現したかったのだろうか。
それぞれのOBが再開して無言で涙ぐむシーンは、
それまでのお互いの人生を思いやっていてじんとくる。
説教くさくも無く爽やかな思いがする映画だ。