ヒトラーの贋札

heureux302008-03-16

ナチが行った贋札作りの実話を基にした物語。
印刷技師、写真技師、贋札作り、といった腕に職があるばかりに
他のユダヤ人とは破格の待遇を受けて贋札作りを
行わされていた。

今日の銃殺より、明日のガス室と、主人公が言ったとおり
柔らかなベッドで眠り、休み時間は卓球で遊べたのだ。
それに夢中になることで、他のユダヤ人にされている
虐待を忘れるために。

団結して抵抗しようという者もいて
仕事をサボタージュするのだが
主人公のサリーは彼をかばい、ドルの贋札を
完成させたり、結核の青年をかばった。

彼はなぜ、仲間を守ったのだろう。
それは彼のもつ良心のなせるものか、下心か。
最後までそれはわからなかった。

敗戦しナチが逃げ出した後、
ナチに近しい立場であった班長のアチェ
手のひらを変えたように、今にも襲わんとしていた
ユダヤ人に対し、如何にしてナチに抵抗していたかと
潔白をPRしていたところが、ぐっと来た。
人間のありようをまんま示せていた。

ラストシーンの贋札を捨てるかのようにギャンブルで
発散し、海辺でタンゴを踊るシーンが切ない。