リトル・チルドレン

heureux302008-01-28

アメリカの郊外で暮らす人々の抱えるさまざまな問題と
それを隠しながらすごして保つ日常を描く作品。
自分の中の抑えられない衝動、隠しきれない幼稚さを
解放させてしまった結果、取り返しのつかなくなったようだ。
まるでパンドラの箱のよう。

平常を装いつつも堕ちていく人々と平行に
ピエロ役としてロニーの存在が際立つ。
母を守り母の言いつけを守り、自分を傷つける。
無垢な存在ではないのだけどそれに近い役割だ。

ロニーがプールで泳ぐシーンは特に美しい。
均衡の取れた秩序ある世界も脆い、裏腹があるというのの
象徴だ。

こういう個人の精神の回復を扱う作品ってアメリカには多い。
戦争からの帰還兵が苦悩するとか。