麦の穂を揺らす風、やさしくキスをして

ケン・ローチ監督の作品2本。

●麦の穂を揺らす風
アイルランドの独立前の話。人が人を差別し正義のために殺してしまう恐ろしい世界。
今日はアイルランドのことで頭が一杯だ。
緑濃い美しい世界が残酷に見えた。

●やさしくキスをして
パキスタン男性と、カトリック白人女性との恋物語
しかし、この男が煮え切らない。優柔不断だ。
でも、それは差別され続けた人間の悲しい性なのかもしれない。

女は男と会うたびに愛を欲していて、ほかの男との行きずりのセックスも
考える。

最終的には家族を捨てて二人は一緒になるのだが
それもいつまで続くか危うく見える。

そういうところが現実の世界を切り取ったように見えて
生々しい。

戒律を守り、身を隠す姉、守ったり守らなかったり名優柔不断な兄、
そして戒律のない世界へ飛び出そうとする勝気な妹。

おもしろかった。