劇場版 きのう何たべた?

コミックス原作、テレビドラマ化された作品を同じ出演者で、その後を描いていた。 二人の男性カップルの生活の様を淡々と描き、生老病死が全体の奥底に流れていた。ケンジ役の内野聖陽の役へのはまりっぷりが好感を持てた。漫画原作をすでに読んでいるのであ…

Summer of 85

1985年、ノルマンディーの街で。16歳と18歳が出逢い恋に落ちる。 アレックスの回想と現在が交差しながら物語は進む。 後悔の念が潮騒のように押し寄せるように。 初めての恋は厄介だ。 アレックスは盲目になって相手のことに夢中になる。 若さという無限のエ…

イン・ザ・ハイツ

中南米出身の移民の物語をミュージカル風に贈る。 ミュージカルそのものは趣味の問題か楽曲はピンとこなかった。 4人の若者がそれぞれの移民としての境遇から脱するため 踠き迷うところは面白い。人生の先輩である老婦人の、自分の誇りを守りなさいという助…

竜とそばかすの姫

日本の地方都市と仮想空間という組み合わせは監督の得意技なのか。 地方の閉塞感から抜け出したくて仮想空間で自由を得たかと思ったが 地方在住の設定を生かせてなかったのでは。仮想空間は五十億の人間がログインして いるとの事だが、その必然性が分からな…

ブータン 山の教室

やる気のない若者が子供達の純心に触れてやる気を出す、とありがちなストーリーとも言えるが見応えがあった。ブータンの僻地ルナナへは徒歩で6日。この行程を端折る事なくロードムービーのように描いた。この鑑賞時間のおかげで観ている側も心持ちを切り替…

ノマドランド

世捨て人のようにキャンピングカーで暮らすファーン。 はたから見ていると孤独で寄る辺ない寂しい女に見える。 同じような暮らしをする人たちと集まっていても付き合いを深められる訳でもなく 皆、自分の孤独を相手に生きている。Facebookなどスマホで情報は…

藁にもすがる獣たち

大金をめぐって繰り広げられる殺人暴力の連鎖反応。 サウナのロッカールームで忘れられていた大金を見つけたところから始まり 少し時間が戻って金をめぐるいざこざが連鎖しあっていくのが見ごたえあった。 ただ、金を必要とする動機や背景が分かりにくかった…

ヤクザと家族 the family

1999年、2005年、2019年の三つの時代にまたがったあるヤクザ青年の物語。綾野剛の演技が光る映画だった。彼の最高傑作ではないだろうか。それぞれの時代ごとに年相応の演技、演出が光っていた。規制によって追い込まれていく姿が描かれていたが、抗いようの…

すばらしき世界

13年の刑期を終えた元ヤクザが世間との折り合いをつけながら 周りの人々に助けられ内在する暴力性に打ち勝つ。抑えられない暴力性は どこから来るものか。「ケーキを切れない子供たち」の様に若干の知的障害によるのか。 母親の愛が足りていなかった、とした…

82年生まれ、キム・ジヨン

韓国に生きる、ある女性の物語。 生活文化や慣習の中で制約のある生き方を強要される韓国の女性たち。 良き妻、良き母を演じていく中で自分のより所が見失われていくところがテンポよく描かれていた。子育て中の母親が、あんなに邪魔者扱いで描かれているの…

テネット

さっぱりわからなかった・・・

シンプルプラン

雪山に不時着した飛行機に曰く付きの大金が積んであった。 それを発見したばかりに3人の運命が翻弄される。 シンプルな題材なだけに演者の心境の変化が見逃せない。 3人の中でまともである事を自認していた弟ハンクと オツムのゆるい兄ジェイコブ、その悪…

レ・ミゼラブル

パリ近郊のダウンタウンでの警察、移民、サーカス団、子供たちと それぞれの思惑が繰り広げられる。閉塞感がすごい。

1917

ワンカットで戦場の伝令の姿を追う。ワンカットのおかげで 同じ時間同じ場所を過ごしているように錯覚に陥った。 意識を失ったりの暗転があって編集点もあったが、アクセントになった。 しかしワンカットという手法ばかりに目が行って 演出や見せ場が沈んで…

パラサイト

話題になっている作品を話題の最中に鑑賞できるのはいい。 貧乏四人家族が金持ち家族に寄生していく様は会話の妙もあってコミカルに描かれている。笑いとスリルが同居してみていて飽きさせない。 しかしながら追い出された家政婦が嵐の夜に忘れ物を取りに来…

家族を想うとき

ケン ローチ監督最新作。 マンチェスターで暮らす四人家族の物語。 フランチャイズの運送業の職を得たリッキー 介護ヘルパーーの妻 リンダ 反抗期の長男セブ、可愛い盛りの妹ライザ。 流行りのギグワークスで細切れになった仕事を 低賃金で請け負う人、家族…

わたしは光を握っている

田舎町から都会へ、自立のために出て来た少女の話。 銭湯に住み込みスーパーのバイトを見つけるがウマが合わず退職。 銭湯の手伝いから仕事をすることの慣れていく。 映画青年、不倫OL、クレーマーなど人に揉まれて逞しくなっていく。 成長の証として、覗き…

ロケットマン

エルトンジョンの伝記作品。 最近、人気ミュージシャンの伝記作品多い。 これまでのレコード売り上げや知名度があればそこそこのヒットが期待できるからだろうか。 代替描かれるのは 屈折した幼少期、栄光、私生活での挫折、孤独、愛されない自分、愛される…

おっさんずラブ

好評だったテレビドラマの続編を描いた。 新たな恋敵として中年、青年の2名を投入し話を大きく展開させようとしたが 大きくさせた分、薄まった印象。薄まったというか発散してしまった。 前作は細かな心理描写が好評だったが映画では描ききれなかったか、 そ…

存在のない子供たち

親の愛情をいっぱいに受ける年頃なのに、子どもが不当な扱いを受けている。これだけでも悲劇なのだが、日本と違ってレバノンは難民が溢れ返っており、児童虐待まで目が行き届かないのだ。主人公ゼインは教育も受けさせてもらえず、狭い家の中でごろ寝、 手伝…

天気の子

映像美の美しさには慣れてしまって驚きがなかった。 家出少年と親無し子という寄る辺ない二人が都会の片隅で 生きぬく物語なのか。少女の天気を操るという超能力で生計を立てようとするが 彼女の体に負担がかかっていた。彼女はそのことを黙って喜ぶ少年のた…

12か月の未来

知的でフランスの上流社会に属していた主人公フランソワが ひょんなことで底辺校の教師になった。 現地の教師も生徒をクズ呼ばわりし匙を投げているような 環境であった。心理テストの逸話で何度も打ちのめされると 自信を無くし行動を起こせなくなるという…

アマンダと僕

無差別テロによって最愛の姉を亡くし残された 7つの姪のアマンダと、風来坊な生活を送っていたダヴィッド。 交通事故ではなく無差別テロに巻き込まれたという設定はフランスの今を 表しているのか。恋人のレナも被害に遭い彼の元から去っていくという喪失を…

海獣の子供

神秘系漫画原作の映画。原作は未見のまま鑑賞したが、正直理解できなかった。 アニメーションの表現力技術力を堪能できるが、その世界観に共感して物語に浸ることはできなかった。普通の少女が異世界に迷い込む成長譚アニメであれば「千と千尋の神隠し」があ…

プロメア

冒頭、主人公と敵の大将のバトルというクライマックスから始まり その派手な立ち回り、見栄で引き込まれる。架空の世界の世界観をストーリーに沿って慣れていく。物語は分かり易く、古典の影響を残しているように思える。物語にじっくり浸る前に圧倒的な映像…

運び屋

園芸事業に失敗した90歳の老人が手にした職は 麻薬の運び屋だった。。。 はじめはビクビクでも大金の報酬を手にするたびにい大胆に、親密になっていく。手にした大金で孫を学校に通わせたり潰れた店を立て直したりと 使うだけ使うところが面白い。 悪事と大…

翔んで埼玉

漫画原作の架空のストーリーと、それを聞く現実世界と並行していて 面白い。 埼玉県民が不可触民のごとく差別されるのだが 埼玉県という現実と架空の設定を破城するギリギリ手前で踏み止まった感がある。 一つ一つの小ネタは光るが連続させるとそうでもない…

グリーンブック

ロードムービーで格差あるバディものがこんなにも面白いとは。 一つ一つの設定に意味があり最小限の要素で物語を構築していて無駄のない数式のような美しさがある。 荒くれ者と芸術家、大家族と孤独、差別と被差別、与え、与えられること、さまざまな対比が…

ボヘミアンラプソディー

歌唱力やライブの群衆の映像は迫力があって楽しめた。成功したミュージシャンの伝記作品は観客にも思い入れがあり、ノスタルジーに浸れるから、動員も見込めるのだろう。

ゲンボとタシの夢見るブータン

ブータンの由緒ある寺院の長男ゲンボと妹タシの話。タシはボーイッシュな女子でサッカーが得意。伝統的な女子のしつけを嫌ってる風だが、思春期特有の性自認の揺れを描いているのか?ゲンボは寺の後継より外世界に興味がある。これまで知らずに済んでいたこ…