おっさんずラブ

好評だったテレビドラマの続編を描いた。

新たな恋敵として中年、青年の2名を投入し話を大きく展開させようとしたが

大きくさせた分、薄まった印象。薄まったというか発散してしまった。

前作は細かな心理描写が好評だったが映画では描ききれなかったか、

それともファンの勝手な解釈で元々そこまで描いてなかったのか。

 

存在のない子供たち

親の愛情をいっぱいに受ける年頃なのに、子どもが不当な扱いを受けている。これだけでも悲劇なのだが、日本と違ってレバノンは難民が溢れ返っており、児童虐待まで目が行き届かないのだ。主人公ゼインは教育も受けさせてもらえず、狭い家の中でごろ寝、

手伝いをするだけ。幼い妹を嫁に出され(人身売買?)、嫌気がさしてあてもなく家出する。たまたま遊園地の清掃係をしていた黒人女性に拾われ、彼女の赤子の面倒を見ることで家に居候する。弱い立場にいるゼインが赤子を守ろうと大人とやり取りをする。母親がつかまり、二人だけになったゼイン。

 

天気の子

映像美の美しさには慣れてしまって驚きがなかった。

家出少年と親無し子という寄る辺ない二人が都会の片隅で

生きぬく物語なのか。少女の天気を操るという超能力で生計を立てようとするが

彼女の体に負担がかかっていた。彼女はそのことを黙って喜ぶ少年のために身を粉にしていた。彼女の献身と自己犠牲に打ちのめされて、世界を犠牲にしてまでも彼女を救うことにかけた少年。

天気で気分が変わるという、外界によって左右される人の感情をテーマにしたのは面白いと思う。天気という普遍なつかみどころの無いものなのに。天気と人とのかかわりについてうんちくがもっとあってもよかったように思える。

12か月の未来

知的でフランスの上流社会に属していた主人公フランソワが

ひょんなことで底辺校の教師になった。

現地の教師も生徒をクズ呼ばわりし匙を投げているような

環境であった。心理テストの逸話で何度も打ちのめされると

自信を無くし行動を起こせなくなるという状態は

子供達だけではなく大人にも言えることだった。

ただ大人は改心することなく去って行ったりするだけだが

寄る辺ない子供たちはフランソワに頼るようになっていった。

移民が押し寄せているフランス現代社会を下敷きに人間愛を描いた。

アマンダと僕

無差別テロによって最愛の姉を亡くし残された

7つの姪のアマンダと、風来坊な生活を送っていたダヴィッド。

交通事故ではなく無差別テロに巻き込まれたという設定はフランスの今を

表しているのか。恋人のレナも被害に遭い彼の元から去っていくという喪失を味合わされる。

健気なアマンダによって自分の人生を取り戻していくのだが

薄味なつくりで落ちに行くまでに寝てしまっった。。。

海獣の子供

神秘系漫画原作の映画。原作は未見のまま鑑賞したが、正直理解できなかった。

アニメーションの表現力技術力を堪能できるが、その世界観に共感して物語に浸ることはできなかった。普通の少女が異世界に迷い込む成長譚アニメであれば「千と千尋の神隠し」がある。本作の主人公ルカとは相いれない印象だ。なぜだろう、ルカに葛藤するところや心情の揺れが見られなかったからだろうか。他のキャラクターたちも意味深長なことを言っているのだが、彼らの由来や根拠が分からず、妄言にしか見えなかった。

言葉では伝わらないものがある、見えないものがあるといいうことだろうが、アニメーションという人の手で作ることで、見えないものは作れないのではないか?

プロメア

冒頭、主人公と敵の大将のバトルというクライマックスから始まり

その派手な立ち回り、見栄で引き込まれる。架空の世界の世界観をストーリーに沿って慣れていく。物語は分かり易く、古典の影響を残しているように思える。物語にじっくり浸る前に圧倒的な映像表現、音楽で体が揺さぶられる感じ。映像と音楽を聞かせるために物語がある、ような。スケールが大きくてよい。